髪を染めると頭皮や髪にどんなダメージがある?

髪染める方法として代表的なのが、ヘアカラー、ヘアマニキュア、一時染毛の3つです。

これらの違いを簡単に説明しますと、

・ヘアカラー:髪「内部」での化学反応を利用し、一番色が持ちがいい。

・ヘアマニキュア:髪の毛の「表面」での化学反応利用する。2~3週間ほどで色落ちしてしまう。

・一時染毛:髪へカラー剤を付着させる方法で、シャンプーで洗い落とすことができる。

となります。

今回はこれらの方法がそれぞれ頭皮や髪にどのような影響をもたらすのか、医師に解説していただきました。

一番色持ちがいいのはヘアカラー!

ヘアカラーは、1剤(アルカリ剤と酸化染料)と2剤(過酸化水素水)による化学反応を利用したもので、脱色発色をおこなうものです。

髪の毛は元々弱酸性なので、そこに1剤を塗布すると、アルカリ剤が髪の毛にあるキューティクル(髪表面に存在し髪の内部保持するもの)を膨張させ、広げます。その広がったところから2剤中の過酸化水素が浸透し、内部でメラニン(タンパク質である黒い色素)を分解し、髪の色を抜いていきます。

その髪の内部で酸化染料(主にジアンミン)が過酸化水素と化学反応を起こすことで、染色された色として見えるようになり、色がキューティクルの外に出ることなく髪の内部に止まり発色させていきます。

これは「永久染毛」とも呼ばれ、髪の内部で行われることから1~2ヶ月と色持ちも良くて、様々な色を作り出すことができるのです。白髪染めもこれに該当します。

ヘアマニキュアはヘアカラーほど長持ちしない?

ヘアマニキュアは酸性の染料を使用します。酸化染料とはちがい分子が大きいので髪の表面からキューティクル内側に染まる程度で、髪の毛の表面のイオン結合の原理を用いて色が付着します。内部に入り込むわけでなく付着する原理のため、ヘアカラーよりも色落ちが早く、半永久染毛ともいわれます。

シャンプーで落とせる一時染毛は気軽にカラーを楽しめる!

最後の一時染毛です。中性のカラー剤で一時的に着色する方法で、スプレーまたはスティックタイプがあり簡単に行えます。ヘアカラーやヘアマニキュアのカラー剤とは違い、シャンプーで落とすことができます。そのため、イベントがあるために1日だけ色を付けたいという方にはお勧めです。

上記のように方法や用途によって染まる仕組みは変わります。

頭皮や髪へのダメージ大のジアミンとは?

では頭皮や髪へのダメージはどういったことがあるかというと、染毛によるトラブルとしては薄毛の原因アレルギー反応経皮毒等といったことがいわれています。

髪染めの中に含まれる化学薬品の中でも、通称ジアミンと呼ばれる化学染料が毒性が強いといわれています。

これは発色剤の役割を果たしている成分で、髪へのダメージだけでなくアレルギー性皮膚炎をもたらす可能性もあると報告されています。そのためジアミン系の化学染料が入っていない非ジアミン系のものを選ぶことで、ダメージ少しでも減らすことができます。

そのため髪染めの成分選びも美容院でなく自分で行う場合には慎重に行う必要があります。

カラー方法によるダメージの違いは?

ダメージに関しても上記の染色の3通りの方法によるダメージの違いがあります。

【ヘアカラー】

前述のようにアルカリ剤などの成分によりキューティクルを膨張させ広げることによって多少なりキューティクルは剥がれてしまい、また、広がった部位から内部の栄養分が外へ出てしまうことが考えられます。そのため髪の表面上でのダメージは大きいといわれてています。

また染料が頭皮にも付着するため、アレルギー反応が出る方も多いです。

【ヘアマニキュア】

ヘアカラーのようにキューティクルを開いたりもしないため、髪へのダメージもほとんどありません。

【一時染毛】

髪の内部には浸透しないので、上記の方法に比べるとダメージは少ないと思われます。

しかし汗や雨で、顔や服に色が付着してしまうといったことがあります。

知っておきたい染毛の注意点!

染毛した後に髪の毛が傷んでいるといった経験はあると思います。髪の毛のダメージは上記の脱色等による影響や紫外線などが原因となります。また染める色が明るいほど頭皮がしみるといった経験がある方もいると思います。それだけではなく痒み、赤みや腫れを引き起こすこともあります。

また今までと同じヘアカラーでも、突然アレルギー反応起こすといった事もあります。重いアレルギー反応起こすと、頭皮に止まらず全身に蕁麻疹を発症させたり、呼吸困難を起こす可能性もあります。

そのため、他の薬剤を内服するときと同じように、ヘアカラーも薬剤の一種だと考えて、念のためにパッチテストする事をお勧めします。

他に、妊娠中のヘアカラーにより羊水へも悪影響があるといった経皮毒の危険性がいわれていますが、医学的な根拠はないといわれており、まだ医学的に一定の見解は出ておりません。

男性必見!染毛は薄毛には影響する!?

薄毛に関しては、直接的な影響というよりも、染料が頭皮の毛穴に詰まり頭皮環境が悪化することが原因といえます。

皮脂や角栓用物質が毛穴をふさいだために髪への栄養が充分に行き届かず、抜け毛や薄毛の原因となっているようです。現在使用されている染色剤は薄毛に直接影響はあまりないとされているため、その後のシャンプーなどの頭皮環境を清潔にすることの方が大切なようです。

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