理容・美容保健2④Vol1
理容・美容保健2④Vol1 - 用語クイズ
2016/8/29配信
Q1温覚おんかく、冷覚れいかく、触覚しょっかく、痛覚つうかくは何感覚?
Answer
【皮膚感覚】
よみひふかんかく
皮膚感覚と総称される温覚おんかく、冷覚れいかく、触覚しょっかく、痛覚つうかく、かゆみの感覚などを受け入れる神経の末端が、表皮、真皮、皮下組織および毛包もうほうの周囲などに分布している。
●触覚は圧覚あっかくともいう。
●皮膚感覚をつかさどる知覚神経の末端(感覚受容器)は特殊な装置を形成するものと、自由終末となっているものがある。
●特殊な装置の例として、クラウゼ小体、ルフィニ小体や、触覚をつかさどるメルケル細胞、マイスネル小体、パチニ小体、毛根受容器がある。
●自由神経終末は痛覚をつかさどる。
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2編 >3章 >3節 :皮膚の神経
Q2皮膚はいろいろな刺激から人体を保護しているが、この保護作用を何とよぶ?
Answer
【対外保護作用】
よみたいがいほごさよう
皮膚はさまざまな刺激から人体を保護しており、次のような保護作用がある。
●押す、引っ張るなどの機械的外力がいりょくに対する保護作用。
●紫外線が身体の内部に達しないように紫外線を吸収し、また散乱さんらんさせて、皮膚自身および身体を守るという光線に対する保護作用。
●化学的刺激に対する保護作用。皮膚の表面にある弱酸性の脂肪膜しぼうまく(酸膜さんまく)と角質層のケラチン、さらには膠原線維こうげんせんいが保護作用を営む。
●皮膚の表面では細菌や真菌が発育しにくいという、皮膚の自己浄化じこじょうか作用。
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2編 >4章 >1節 :対外保護作用
Q3皮膚血管の拡張、収縮や発汗はっかんは何のために起こる?
Answer
【体温調節】
よみたいおんちょうせつ
人間は皮膚血管と発汗はっかんによる体温調節作用により、外界の温度変化に対して体温を一定に保っている。
●外界の温度が高い場合、皮膚の血管が拡張し、体温を放散したり、発汗の増加により皮膚を冷却させる。
●外界の温度が低い場合、皮膚の血管が収縮し、体温の放散を防いだり、発汗が減少したりする。
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2編 >4章 >2節 :体温調節作用
Q4皮膚に点状に分布している刺激を感じる点は何?
Answer
【感覚点】
よみかんかくてん
皮膚に点状に分布している、痛みや熱さ、冷たさなどの刺激を感じる部位である。
●痛みを感じる痛点、触ったと感じる触点、温かさと冷たさを感じる温点、冷点とそれぞれよぶ。
●分布する数は痛点が皮膚1平方cm内に100~200あり、触点25、冷点12、温点1~2の順に存在する。皮膚では痛覚が最も鋭敏で、温覚が最も鈍いことになる。
●触覚は特に指頭しとう、口唇こうしん、舌の先などで鋭い。また、毛包にも多数の神経叢があり触覚をつかさどっている。
●温度感覚は舌が最も鋭敏である。
●そう痒よう(かゆい感覚)を感じるかゆみ点があることが最近わかってきた。
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2編 >4章 >3節 :知覚作用と皮膚反射
Q5脂腺しせんの細胞が脂肪化してできたもので、皮膚の表面に分泌されるものは何?
Answer
【皮脂】
よみひし
脂腺しせんの細胞が脂肪化してでき、これが皮膚表面に分泌される。
●脂腺の発育は男性ホルモンの刺激によるもので、思春期にさかんになる。
●外界の温度が上昇すると分泌が高まる。
●皮膚表面に分泌され、角質層と毛の表面に薄い脂肪膜をつくる。この脂肪膜は水分の蒸発を防いだり、化膿かのう菌などの発育を抑えて皮膚や毛を保護している。
●皮膚表面に一定の厚さの脂肪膜があると皮脂の分泌がやみ、少なくなると一定の厚さになるまで分泌が続く。
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2編 >4章 >4節 >1項 :皮脂の分泌
Q6体温調節をおもな目的とし、精神的に感動したときや辛いものなどを食べたときにも起こる皮膚の作用は何?
Answer
【発汗】
よみはっかん
体温調節をおもな目的とし、1日0.5リットル以上の汗を分泌する。発汗には次のような種類がある。
●液体として認められずに蒸発する不感知性ふかんちせい発汗。
●液体として認められる感知性発汗。
●温熱的な刺激により起こる温熱性発汗。夏の暑さや筋肉労働にみられる。
●精神的な感動により起こる精神性発汗。手掌、足底、腋窩から出る汗。
●すっぱいものや辛いものを食べて起こる味覚みかく性発汗。額、鼻背びはいから口のまわりに出る。
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2編 >4章 >4節 >3項 :汗の分泌
Q7皮膚を通して物質を体内に取り入れるはたらきを何という?
Answer
【経皮吸収】
よみけいひきゅうしゅう
皮膚を通して物質を体内に取り入れること。表皮経路と皮膚付属器官経路がある。
●表皮経路は角質層かくしつそうの細胞間を通り抜け、顆粒かりゅう層以下の表皮ひょうひを経て真皮しんぴに至る。
●皮膚付属器官経路は毛包もうほう、脂腺しせん、汗腺かんせんを通り真皮に達する。
●薬剤やくざいなどを皮膚から吸収されやすくする方法に密封包帯みっぷうほうたいという方法がある。
●これは薬剤に乳化剤を加えたものを塗布した上を非通気性のものでおおい、周囲を絆創膏ばんそうこうで密閉、さらに上から包帯を巻く方法。
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2編 >4章 >6節 :吸収作用
Q8主としてヒゲの毛包もうほうに、おもにブドウ球菌が感染して慢性まんせいの炎症を起こした皮膚疾患を何とよぶ?
Answer
【カミソリカブレ】
よみかみそりかぶれ 異表記尋常性毛瘡じんじょうせいもうそう
主としてヒゲの毛包もうほうに、おもにブドウ球菌が感染して慢性まんせいの炎症を起こしたもの。
●特にカミソリでひげをそる、ひげの濃い中年男性に多い。
●はじめは赤い丘疹きゅうしんが硬毛こうもうに一致してでき、中心部に膿疱のうほうを生じ、やがて痂皮かひをつくり慢性化する。
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2編 >5章 >8節 >3項 :ひげそりあとの皮膚の手入れ
Q9一般的にはカブレとよばれ、外部の化学物質などが皮膚に接触して起こる皮膚の炎症は何?
Answer
【接触皮膚炎】
よみせっしょくひふえん 異表記カブレ
外部の化学物質などが皮膚に接触して起こる皮膚の炎症で、一般にカブレという。一次性刺激物質によるものと、アレルギー性のものに大別される。
●一次刺激物質とは、塩酸えんさんなど、そのものが皮膚にとって刺激物や毒物であり、これらの物質が皮膚に触れると大部分の人が皮膚に炎症を起こすものである。
●一次性刺激物質に接触すると、遅くとも数時間から24時間以内に炎症が起こる。
●アレルギー性のカブレは、抗体こうたいと抗原こうげん物質が反応してアレルギー反応が起こり、その結果皮膚炎が生じる。
●アレルギー性のカブレの原因となる物質は様々で、染毛剤や化粧品などもその原因となることがある。
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2編 >6章 >4節 >1項 :接触皮膚炎(カブレ)
Q10化粧品が刺激となって起こる接触皮膚炎を何という?
Answer
【化粧カブレ】
よみけしょうかぶれ
接触皮膚炎のうち、化粧品を使用するうちに起こすカブレのこと。アレルギー性と非アレルギー性の2種類がある。
●非アレルギー性の化粧カブレは、化粧品を使用しはじめてすぐにかぶれるもので、化粧品が直接皮膚を刺激するためかぶれる。
●アレルギー性の化粧カブレは、化粧品を使用しているうちにかぶれてくる。化粧品に感作かんさされてかぶれるようになるもので、アレルギー性接触皮膚炎という。
●化粧カブレの中で最も多いのはクリーム・乳液によるカブレ。パーマネントウェーブでは、第1剤であるチオグリコール酸によるものが多い。
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2編 >6章 >4節 >1項 :接触皮膚炎(カブレ)
Q11最も実用的で確かだとされる、カブレの原因を見いだす方法は何?
Answer
【パッチテスト】
よみぱっちてすと 異表記皮膚貼布ちょうふ試験
カブレの原因を見いだす最も実用的で確かな方法。
●方法は、前腕ぜんわんや背中などの健康な皮膚に、疑わしい物質を通常48時間貼付ちょうふして反応をみる。
●これで陽性の場合さらに成分別にパッチテストを行い、どの成分が原因かを確かめる。
●非アレルギー性の場合は、検体を除去した翌日には貼付部位の発赤がほとんど消えているが、アレルギー性の場合は何日も残ることが多い。
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2編 >6章 >4節 >1項 :接触皮膚炎(カブレ)
Q12フケ症やあぶら性しょうの人に多い皮膚炎は何?
Answer
【脂漏性皮膚炎】
よみしろうせいひふえん
フケ症やあぶら性しょう(油性脂漏)の人に多い皮膚炎で、黄色味を帯びた紅斑こうはんを生じ、落屑らくせつがみられる。
●頭部、額ひたいから眉間みけん部、鼻および鼻翼びよく、その周囲の鼻唇溝びしんこう、耳の前後、外耳道がいじどう、腋窩えきかなど脂漏性部位にできやすい。
●油性の整髪料や化粧品を使用しないようにする。
●最近では、皮脂を栄養源とする真菌の一種が関与するとの考えもある。
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2編 >6章 >4節 >5項 :脂漏性皮膚炎
Q13おもに成人女性の顔面に生じる淡褐色たんかっしょくの色素斑を何という?
Answer
【肝斑】
よみかんぱん 異表記シミ
おもに成人女性の顔面に生じる淡褐色たんかっしょくの色素斑で、ホルモン、代謝の失調によるもの。
●女性ホルモンのアンバランスが関係すると考えられ、月経直前、月経時に色が濃くなる人や、妊娠時にできる人もいる。
●日光に照射されるとその部分の色素が増えて目立つようになるので、日焼け止めクリームや日傘を使用するとよい。
●まれにがんや肝臓かんぞう疾患にかかった男性にみられることもある。
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2編 >6章 >8節 >2項 :肝斑(シミ)
Q14女子顔面黒皮症こくひしょうともよばれ、おもに顔面や頸部(首)が赤紫褐色せきしかっしょくになる皮膚炎は何?
Answer
【色素沈着型接触皮膚炎】
よみしきそちんちゃくがたせっしょくひふえん 異表記女子顔面黒皮症こくひしょう
おもに顔面、頸部けいぶにできる皮膚炎。
●はじめはその部分の皮膚が軽く赤くなってかゆみがあり、しだいに色素沈着を起こして赤紫褐色せきしかっしょくになる。
●原因として化粧品によるカブレの長期間の繰り返しがあり、戦後の粗悪そあくな化粧品の使用で多発した。
●当時、リール氏により発見されたリール黒皮症も同一疾患とみなされてきた。
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2編 >6章 >8節 >3項 :色素沈着型接触皮膚炎(女子顔面黒皮症
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